Windows 10のエディションとは、Windows 10 Home の「Home」にあたる箇所を言います。
機能により、「Home」のほか、「Pro」、「Enterprise」、「Education」などと呼ばれます。
Windows 10 Home とPro の違い
Windows 10 Home とPro との違いは沢山ありますが、代表的なものだと以下の3点が挙げられます。
- ドメインの参加の可不可
- クライアントHyper-V の可不可(Proでもハードウェア構成によっては不可)
- 搭載メモリ容量の上限
Home ではドメインの参加ができず、クライアントHyper-V機能もなく、メモリ上限が128GBまでと決まっています。
ドメインの参加とは
テレワーク等で多少は知名度があがったと思われる「ドメインの参加」とは、会社のネットワークに参加する際に、ユーザーネーム@ドメインとパスワードでログインする方法のことです。
厳密にいうと、Activedirectoryのネットワークに参加すること、となりますが一般的にはあまり知っていなくても問題ない知識です。
会社のネットワークにログインするためのIDとパスワードを入力できる機能、となりますので、ドメインの参加ができないエディションのWindows10 マシンの場合、会社のネットワークに入れず、仕事をすることが非常に困難になります。
会社からパソコンの購入を任されたときに、「Pro のエディションで」と指定されるのは、ドメインの参加機能がないと困るからです。
クライアントHyper-V とは
そもそもWindows Server にあったHyper-V の仮想化機能の、Windows 10版です。
仮想化機能とは、疑似コンピューターをパソコン内部のHDDなどに作りあげる機能のことで、疑似コンピューターにはWindows やLinux などのOSを入れることも可能なほか、OS上には当然ながらアプリをインストールすることも可能です。
Windows Server のHyper-V は仮想化環境を2個~無限に作れますが、クライアントHyper-V は1個しか作れません。
数に制限があるだけで、Hyper-V の機能とほぼ同じです。
※コンピューターに搭載されているCPU が仮想化機能に対応していない場合、Pro 以上のエディションであってもクライアントHyper-V 機能は使えません。
搭載メモリの上限とは
64bit版のWindows 10の場合(現在入手可能なWindows10 PC は意識して買わない限り、基本的には64bit)、搭載可能物理メモリはHome エディションで128GBが限界です。
一般ユースであれば、128GBもあれば十分ですが、動画編集や写真現像などの画像編集、3Dソフトの利用、DAWソフト等を使った音楽編集など、プロユースの場合256GB以上使いたいケースも多々あります。
大量の物理メモリを搭載しようと思うと、マザーボードから根本的に対応していないといけない、メモリが高価など、難しい面もありますが、今後どんどん安価になっていくのでいずれ一般ユースでも大量メモリを搭載する時代が来ると思われます。
Windows 10 Enterprise とは
Windows 10 Enterprise とは、ボリュームライセンスでWindows 10 Pro を買い、SA(ソフトウェアアシュアランス)を付けている場合に使える上位エディションのWindows 10です。
※ボリュームライセンスとは個人や企業などがまとまった数以上を契約して購入する販売方式です。シリアルキーのようなものが管理しやすい、代理店によっては値引きがあるなどのメリットがあります。
Pro とほとんど機能は一緒ですが、Enterprise にしかない企業向け機能がいくつかあるため、企業によっては企業単位でライセンス契約を結んでEnterprise エディションを使うことも考えられます。
Enterprise エディションには、LTSB(Long-Term Servicing Branch)という特殊な製品もあり、大型アップデートが一切入らず買った時のバージョンでのみ使うのと、Windows ストアなどのシステムに変更を入れるような機能がいくつか除外されているため、非常に安定した動作をする製品となります。
ただし大型アップデートが入らないということは、サポート期限が決まってしまっているため、サポート期間満了時には次のEnterprise LTSB を購入しなおす必要があります。
個人用途としては結構な出費になるのですが、安定したWindows10 をどうしても使いたいというときには選択肢の一つとして検討しても良いと思われます。
(個人でボリュームライセンス契約をし、LTSBを買いたい場合は、ライセンス2つとSA1つでセット買いする必要がありますので、OS1つ買うつもりでもかなりの出費です)
Windows 10 Education とは
Windows 10 Education とは教育機関が契約できるボリュームライセンスで購入したWindows 10 のエディションで、機能としてはEnterprise とほぼ同等です。(モバイルコンパニオンがプリインストールされていない、設定によってはCortana が使える、など)