パソコンで作業中に少し席を離れるときなど、パソコンを一時休止状態にして、消費電力を抑えることができるスリープ機能はとても便利です。しかしながら、機能を利用しようとしたときやスリープから復帰しようとするときにトラブルが起きてしまうことがあります。
今回は、便利なスリープ機能を使いこなすためのトラブルシューティングについて確認していきましょう。
スリープにならない場合
時間がたってもパソコンがスリープに移行しない場合には、設定でスリープに移行するタイミング(時間)が「なし」とされている可能性があるので確認が必要です。
確認の手順はシステムからおこないます。
まずは、Windowsのスタートボタンの歯車アイコンをクリックして、「Windowsの設定」を表示させ、「システム」をクリックします。
左側メニューから電源とスリープを選択したときに、スリープの項目を確認してみてください。
もし「次の時間が経過後、PCをスリープ状態にする」という項目が「なし」になっている場合には、パソコンは自動でスリープ状態に移行しません。
スリープ状態に移行するまでの時間は1分から最大で5時間までが設定可能です。
スリープがない場合
手動でパソコンをスリープ状態にしたい場合、通常は電源アイコンから「スリープ」の項目を選んでスリープ状態にできますが、スリープを選択できない場合があります。
スリープが表示されない場合には、システム上でスリープが選択できるようになっていない可能性がありますので、「電源とスリープ」設定を確認してみましょう。
Windowsのスタートボタンの歯車アイコンをクリックして、「Windowsの設定」を表示させ、「システム」をクリックします。
左側メニューで「電源とスリープ」を選択後に、右側の「電源の追加設定」をクリックしてください。
次に「電源ボタンの動作を選択する」をクリックします。
下部の「シャットダウン設定」を確認すると、「スリープ」と「休止状態」について電源のメニューに表示されるかどうかのチェックボックスがありますので、スリープが表示されない場合、チェックがオフになっていたらオンの状態にしましょう。
スリープから復帰後にWi-Fi が切れる場合
ノートパソコンを使用時によくあるトラブルですが、ノートパソコンの蓋を閉じたり、時間経過で自動的にスリープ状態に移行したりする場合に、スリープ状態から復帰後に自動でWi-Fiに接続ができない場合があります。
もちろん手動で接続することもできますが、電源設定を見直すことでスリープ状態から復帰後も自動でWi-Fi接続ができるようになりますので、設定の確認をしてみましょう。
設定はデバイスマネージャーから確認しますので、左下のWindowsマークを右クリックして「デバイスマネージャー」を選択します。
デバイスマネージャー画面が開いたら「ネットワークアダプタ―」の項目を展開し、アダプターのプロパティを確認していきます。
アダプタはお使いのパソコンによって搭載されているものが異なりますが、無線アダプターの場合には名称の中に「Wireless」と表示されているものが該当となります。
「Wireless」と表示されたアダプタ―を右クリック、プロパティをクリックします。
プロパティの「電源」のタブを開いた後に「電力の節約のために、コンピューターでこのデバイスの電源をオフできるようにする(A)」の項目のチェックをオフにして「OK」で保存をしてください。
アダプタ―の設定後に、再度スリープからの復帰でWi-Fiが自動で接続できるかを確認してみましょう。
スリープから復帰できない場合
パソコンも精密機械でちょっとしたことで誤動作が起きてしまうことがあります。スリープからの復帰ができない場合にも、慌てずに次のことを試して復帰できるか確認していきましょう。
・一度強制終了してみる
パソコンの電源ボタンを長押しして、強制終了した後にパソコンが起動できるか確認してみてください。作業中で保存されていないデータは失われる可能性がありますが、起動できない状態から復帰は強制終了が近道である場合があります。
・Ctrl+Alt+Delキーを押してみる
別名:ホットスタートとも呼ばれるCtrl+Alt+Delキーの同時押しは、パソコンをソフトウェア的に再起動させる場合に使われています。キーを押すことで、タスクマネージャーが起動できた場合には、一度シャットダウンしてみて再起動を試してください。
・マウスや外部モニターなどの周辺機器を取り外してみる
パソコンから給電されているマウスや外部モニターが接続されている場合に、スリープからの復帰で不具合が発生することがあります。周辺機器を全て取り外した状態で、電源ボタンやキーボードのキーを軽く押したりすることで復帰する可能性があるので試してみましょう。
スリープから復帰するとブルースクリーンになる場合
スリープ状態から復帰しようとして、パソコンの画面でブルースクリーンが表示されてしまうことがあります。原因と対策を確認しておきましょう。
パソコンにマウスや外部モニタなどの周辺機器を接続したままスリープ状態へ入ると、周辺機器にも通電されている状態となるため、復帰の時に誤動作が起こることがあります。
周辺機器を複数接続した状態でブルースクリーンになってしまう場合には、どの機器が誤動作の原因になっているか一つずつ取り外しながら確認していくと良いでしょう。
また、USB接続機器については、一定時間使用していない USBポートの電源が自動的に切れる機能であるUSBセレクティブサスペンドを無効にし、USBポートの電源を切れないように設定することで解消する可能性があります。
設定方法は歯車マークのWindowsの設定から「システム」をクリックします。
左側の「電源とスリープ」を選択し、右側に表示される「電源の追加設定」をクリックしてください。
電源オプション画面が表示されたら、右側の「プラン設定の変更」をクリックします。
「詳細な電源設定の変更」をクリックすると、「電源オプション」の画面が表示されますので設定をしていきましょう。
「電源オプション」画面上で「USB設定」の項目が表示されますので、「USBのセレクティブサスペンドの設定」を開き、有効から無効に設定を変更し「OK」をクリックしてください。
また、電源オプションをご自身のパソコンの使い方にあわせて、高パフォーマンスやバランス、省電力などに使い分けるというのもスリープ状態からの復帰のときのブルースクリーンを防ぐ一つの手です。
スリープは便利な機能ですが、電源周りに誤動作が起きてしまう可能性もありますので、いざというときのトラブルシューティングは覚えておくと良いですね。